16話でついに登場したミリムはヒロインというにはちょっと幼めですが、
イベントやら色々と旋風を巻き起こすメインキャラにくわえて実は癒しキャラでもあるので、楽しみにしていた人も多いのかもしれませんね♪
そんな16話の内容は、
・ベスター参加
・ガビル・ソーカたち参加
・ミリム登場
・ミリム、テンペスト国に住むことを表明
・入浴と会議のシーン
という流れで行われ、コミック版の6巻をまるっと、くわえて7巻を少し映像化したような内容になっています。書籍の方は3巻(細かく言うと2巻の終盤も含まれているかも)、webでは44~49話の内容に相当しているようです。
入浴と会議のシーンは、実際に対策会議はしますし流れこそ一緒ですが、リムルは入浴していませんし、アニメオリジナルです。数少ないサービスシーン含め、うまくまとめたなぁと思います。
さて原作の話を持ち出すのは、タイトルにも書いていますが、16話はちょっと“急ぎ足”の内容のように思えたからです。(原作はwebとコミック版準拠です)
流れは原作通り
▲ 見てると笑えてくるからやめなさい…w
前述しましたが、話の流れ自体はだいたい原作通りです。
筆者は別に原作通りに進めてほしいタイプではなく、むしろ(一つの話として)面白ければ割と何でもしていいと思うタイプなので(もちろん話の方向性や主人公の性格的イメージががらりが変わってしまうとあれですけど)、原作通りかどうかの如何で面白いかどうかはあまり判別していないつもり。
ただ、一度見て、少しこうして考えていると、上の5つのエピソードをすべて入れて原作通りの流れとしなくても話はまとまっていたのかもと思いました。
16話の疑問点
そう思うのは、いくつか「ん?」と思う点があったからです。
ミリムが3人の魔王を従えているように見える
1つは、魔王たちの会議がものの1分足らずで終わってしまったこと。ミリムが喋るだけ喋り、クレイマンがイエスマンよろしく、まるで子供に対してかのような穏やかな口調でうなずくだけです。クレイマンやフレイにいたっては言葉もなし。忠実な配下のように。
また、ミリムは確かに子供っぽい存在ではありますが、筆者の好きなリグルドも集会で泣きながらに言っていましたが魔王の中でも「暴君」でもあり、また「意外と狡猾」でもあります。それが短く集約されていたのがこの会議のシーンで、クレイマンのオークロード魔王化計画についての吐露や、ミリムに手を焼いていることが見れるシーンでもありました。
▲ こういうしっかりとした読み応えのあるやり取りがある。アニメ版だとミリムが全てにおいて大将みたいだけど、実際は知識労働の大人3、そしてアイデア派の賢しい子供1という構図になってる。(コミック版6巻より)
クレイマンがイエスマンになるほどここまで短くしてしまうなら、あえてクレイマンだけ出して、他の二人は影で隠すなりして顔を出さず、あとで回想シーンでしっかり喋らせるという手法でもよかったのかなと。(いや、だからこそこういうシーンにしたのかもしれませんけど)
カリオンやフレイが喋らなかったことに関しては当たっているかもしれません。
この1分足らずの時間内で喋らせると、カリオンやフレイは一言二言の内容となってしまうので、声優の収録の兼ね合いとかね。というか、会議が短くなったのはこれが原因じゃないかと。どちらにしても、あってもなくてもいいような半端なシーンになってしまっていました。
なぜ蜂蜜でどうにかなると思ったの?
ミリムがやってきて、ひとえに主を守る想いからオーガたちは負けること覚悟で挑みましたが、敗北。そうしてリムルは、蜂蜜を食べさせることでミリムと和睦を結ぶことに成功しました。
蜂蜜でどうにかなると踏んだリムルはかなり策士というか、ミリムを「親戚の子供」と形容したのもわかる大人な対応でしたよね。これまで現代人的な平和主義の大人の対応で町を大きくしてきた手腕と人柄がかいま見えるというもの。
そんなリムルですが、ミリムに蜂蜜の秘策を試してみるときには、それなりの覚悟を持って臨んでいました。「戦っても絶対に勝てないだろうな」「こういう子供っぽい相手には」「俺たちの命運はコレにかかっている」など。
緊迫感は、ミリムの放った衝撃波で傷だらけでボロボロになったオーガたちで演出されて、さあどうするのかな、子供っぽい相手には?どゆこと?とドキドキしたものです。ですがアニメではオーガたちには傷はまるでないし、命運がかかっているような緊迫感もとくにありません。
「どうした?まだ遊び足りぬのか?いいだろう もっと遊んでやるのだ」
▲ マジこわ……w
緊迫感は魔王らしいといえばらしい怖すぎるミリムと、大賢者による魔素の説明、「ならば、やれることは一つだけ」という言葉。なぜ蜂蜜が「ならば」に繋がるのか、なぜ「蜂蜜」を選択したのか、蜂蜜を対処法として選択するフラグ演出ないし心象描写がないんですよね。
「(ならばやれることは1つだけ)」
別にすべての策でフラグ演出する必要はありませんし、それはそれでいいのですが、普通にこれまで使ったことのなかったスキルを出そうとしている感じです。
蜂蜜を出すのは奇策ではあるので、奇抜な演出としていいのかもしれませんが、リムルの子供の扱いという部分での有能さの説明がないので、なぜ蜂蜜なの?という疑問が湧いてしまう、突飛な演出寄りになっています。
ガビルを出して吹っ飛ばしたこと
「おやー?どなたですかな?このちびっこは?」
3つ目は別に悪いことではなく、むしろなるほどと思ったりもするんですけど、リムルがミリムを友達扱いして僕らをほんわかさせつつ手なずけたとき、ガビルが「にゅっと」出てきて余計な一言を言います。
で、ボーン。(笑)
そうして、一行は街中へ。ガビルをどのくらい吹き飛ばしたのか気になる距離です。というのは、座っていた石垣から、一行が街中へ移動する描写がないからです。若干のタイムラグ。
ガビルは原作だと殴られるのは街中です。一行が街に帰還した際に出会います。それも当然ですよね。リムルもオーガたちも突然街から飛び出していたのですから。
また、ミリムが蜂蜜を舐めていたり、お互いの呼び方を打診している部分は、コミック版では歩行中の出来事になっています。
「誰がちびっこだ?ぶち殺されたいのか?」
「(暴れるなと言ったばかりなのに…)」
コミック版の移動描写はまったく正しい流れで、別に改変する必要もないところですが、アニメ版では違っています。移動シーンはなく、街中に近そうな場所で、ガビルを殴らせています。
これは筆者の予想ですけど、アニメーションの手間を省くため、時間短縮のためにこうなったのかなと考えてます。石垣に座らせているのは、ギリギリテンペスト国の近くというのを分からせるため。そこでガビルを登場させて殴らせれば、移動中の“絵が減ります”。
なのでなるほどなあと思ったりしたんですけど、だからこそ、結構ひっ迫した製作状況だったのかなと、裏付けしやすい理由の一つになってしまっていました。アニメは作るのかなりしんどいらしいですからね~。。お正月返上のオーク戦が終わって少し休憩モードだったのかもしれません。
▲ そんなに違和感もないけど影でこんな作画もあった
キャラもいろいろと出てきた回でもありましたしね。転スラはキャラ総数がガンダム並みに多いので、声優のスケジュールとか諸々の管理も大変だろうなぁと思います。実際のところはもちろんわからないんですけどね。
アホの子+元気いっぱいの迫真の演技
「マブダチ!?」
「違うのか!?」
と、ちょっとネガティブな意見を言ってみましたが、原作とアニメは違いますし、魅せ方もそれぞれ違います。そこのところは、ほかの転スラ記事ないしこれまで書いたロクアカとか、リゼロとか、最弱無敗の記事なんかでもいろいろと書き連ねていますが、今回の主役はもちろんミリムで。
コミック版のミリムは魔王として結構超然としていました。一方で、魔王らしい「悪」というイメージは少なくて、正々堂々が好きみたいな武闘派感が強く、カリオンの娘と言われてもそれほど違和感はありません。
そうして原作のミリムは“超級のファイター”らしさが強いですが、その点アニメ版ではアニメキャラらしい少女の可愛らしさで溢れ、コミック版ではほとんどなかった魔王らしい悪や悪魔感も協調されています。
同時に癒し要員もとい面白要員としての才能も早くも発揮(笑)、日高里奈さんの迫真のわんぱく演技のままに、ああ、こういうミリムもいいねと思わされるミリムになっていました。
「え、だって魔王だぞ!カッコいいだろ!?憧れたりとかするだろ!?」
「しねぇって」
「え゛っ」
▲ BGMの止まったここは笑った。(笑)
アホの子っぽいですが、転スラではすでにヴェルドラといううるさいおじさん竜の例があるので(´∀`)
「退屈なんじゃないかそれ」
「お゛お゛おぉぉ…」
▲ 顔のわりになんて声をだすんだ…www面白いけど日高さんの個性出すぎ問題あり
さて、つらつら書いて少しさっぱりしました。まぁ、こんな回もありますよね~。次の17話が楽しみなところ!おそらく“あやつ”が出ますからね。(ほんと、新キャララッシュ)