【3/23更新】ライトノベル小説とアニメは今日まで一つのベストマッチですが、ライトノベル作家さんの中には「アニメの原作者」ではなく、あくまでも「ライトノベル作家」ないしは「小説家」であろうとする作家さんはたくさんいます。
「小説家になろう」は、その“逃亡先”の一つといえるかもしれません。
アニメ化の際には、そんななろう作家さんたちの個性と独自の感性がたんまりで、しっかり生かされています。
目次
魔法科高校の劣等生
【概要】魔法技能師養成のための国策高等学校の一つ、国立魔法大学付属第一高校に、エリートとして将来を約束された「一科生」の妹と、その補欠である「二科生」の兄が入学した時から、卒業するまでの物語である。
2008年10月より小説家になろうで投稿を開始、3000万PVを記録した作品。(現在はWEBの方は削除されています。)
なろうの古株的作品でもあり、電撃文庫から刊行された同小説も750万部を突破し、ゲームにも。作中で主人公の司波達也に対してよく使われる「さすがお兄様」を略した「さすおに」は、兄想いの妹キャラ、または妹想いの兄キャラに対する定番の文句として定着しています。
【⇒アニメ公式】
ログ・ホライズン
【概要】老舗オンラインゲーム「エルダーテイル」の世界に日本人ゲーマー3万人が閉じ込められた!未だ、混乱続くエルダーテイルで、<腹ぐろ眼鏡>で<引きこもり体質>の主人公・シロエが、旧友直継、美少女暗殺者アカツキらと、廃墟アキバから世界を変える!!
2010年4月から投稿を開始。「まおゆう魔王勇者」とともに、刊行が企画されました。
なろう作家は、紙の方で刊行が決まると様々な理由からWEBの更新をやめてしまう人もいますが、ログ・ホライズンは今でもしっかり更新が続けられています。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
英雄譚にあるような「異性との運命の出会い」にあこがれ、女神ヘスティアの所属ファミリアとなり冒険者となった少年ベル・クラネルは、助けてくれたアイズ・ヴァレンシュタインに一目惚れ、いつか彼女に釣り合う冒険者になろうと行動を開始する。
2011年5月から「arcadia」、7月から「小説家になろう」で投稿開始。現在は削除済み。GA文庫から刊行されたダンまちシリーズは700万部突破し、アニメの本編2期も今か今かと期待されています。
ちなみに、ヒロインのヘスティアの変わった服装についている“例の紐”が、アニメ流行語大賞2位を取るという奇妙な逸話もあり。(笑)
【⇒アニメ公式】
オーバーロード
サービス終了とともに意思を持って動き出すNPCたち、自身もゲームの中に自分の作ったキャラクターとなってしまったことに気付く。モモンガはかつてのギルドの栄光を再び手にするべく、アインズと名を改め、ナザリック地下大墳墓の勢力を率いて暗躍し始めるのであった。
2010年5月から「arcadia」、2012年3月から「小説家になろう」に連載。
アニメ化の際には、“ガイコツの主人公”という個性的すぎる作風などからアニメファンからはあまり期待はされていなかった本作ですが、原作は150万部以上売れ行きを伸ばし、2期の製作も宣言されました。
この素晴らしい世界に祝福を!
不慮の事故で命を落とした高校生の佐藤和真は、天界で女神アクアに異世界への転移を持ちかけられる。アクアは「異世界には望むチートアイテムを1つだけ持っていける」と異世界転移の特典を持ち出しながら勧誘するが、アクアの態度があまりにも和真を味噌っかすに馬鹿にしていたために和真は激怒し、アクアを「異世界に持っていく”もの”」として指定する。
2012年より「小説家になろう」に投稿。2013年10月に完結し、現在は削除されています。略称このすば。
なろうにおける、アニメらしいコメディとは本作のこと。アクが強い・テンポが悪いとも言われるなろう作品ですが、そんなことは露ほども思わせません。シリーズ累計300万部を突破、アニメも早くも2期が放映され、満を持して放映終了しました。
【⇒アニメ公式】
Re:ゼロから始める異世界生活
気がつくと、なぜかスバルは召喚された時点に戻っていた。それから何度かの死により、スバルは自分がこの世界で得た能力を知る。その能力は、自身の死により時間を巻き戻して記憶を引き継げる、タイムリープ能力「死に戻り」だったのだ。
2012年から「小説家になろう」に投稿。PV数は6000万PVを記録、刊行本はシリーズ累計200万部突破して、『SUGOI JAPAN Award 2017』では史上初となるアニメ部門・ラノベ部門の2部門で1位を獲得しました。
異世界転送ファンタジーというお馴染みの基盤とは裏腹に、先が予想できない濃密なミステリーと伏線の数々がちりばめられている本作。アニメとなったリゼロは、作者自らも率先して収録に参加したことも影響したのか、ブレることなくリゼロらしさ、ないしはスバルらしさが最後まで貫かれていました。
異世界食堂
とある街、オフィス街に近い商店街の一角にある洋食屋『ねこや』。普段は普通の食堂なのだが、なぜか土曜日だけは扉が異世界につながる不思議な店。その土曜日になると、異世界のあちらこちらから様々な人々が食事を求めて来訪する。
2013年1月より「小説家になろう」で連載開始。2017年夏にアニメ化しました。
創作における、「ダンジョン飯」などをはじめとする異世界×グルメの流れは近年の流行りでもありますが、なろうアニメ化にも遂にきたようです。なろうらしく、異世界ファンタジーの住民の“舌”に対して、主人公である『ねこや』の店主は俺TUEEEを図ります。
異世界居酒屋「のぶ」
異世界に繋がる噂の酒場「居酒屋 のぶ」。タイショーが作るエキゾチックな料理と極上の酒「トリアエズナマ」を求め、今日も店には異世界の住人が訪れる──。
2012年10月よりなろうで投稿開始。2018年4月にアニメが放送、2クール放送を満を持して終えました。
先に異世界食堂の方がアニメ化されていますが、古いのはこちらの方であるようです。といってもほぼ同時期と言えるでしょうか。
ナイツ&マジック
事故でこの世を去った主人公・倉田翼。彼が生まれ変わって落ちた異世界は、ロボットが疾走する夢の世界だった。メカオタクの翼にとって、まさに天国!おまけに美少年で、最強で、魔法も使えてしまう神童として生まれ変わる。
2010年10月から投稿を開始した、なろうではかなりの古株的作品。
なろうアニメでは珍しいロボット作品であり、見やすい王道系の内容からロボアニメファンから好感を得つつ、中性的ショタ系主人公なことも、少年主人公の多いなろうアニメに新しい風を吹かせました。
異世界はスマートフォンとともに。
神様の手違いで死んでしまった主人公は、異世界に蘇らせてもらうことに。神様の気遣いで、特別にスマートフォンも使えることになって……? かわいい女の子に古代文明の遺産、冒険やバトルもあるけれど、でも基本は飽くまでのほほんな異世界ライフが始まります。
現代人にとって、スマートフォンはなくてはならない現代文明の一つとなっていますが、それを異世界で駆使して、というなかなかインパクトのある作品。2013年4月からなろうで連載開始。
なろう作品は世界観や設定の練り込みが専門家並みに深くなっている作品も多いですが、この作品は比較的浅めで、アニメのセオリーも多く、気軽に見れるアニメです。
デスマーチからはじまる異世界狂想曲
デスマーチ真っ只中のプログラマー、”サトゥー”こと鈴木。仮眠を取っていたはずの彼は、気がつけば見たこともない異世界に放り出され、そして目の前には蜥蜴人の大軍? 夢か現実か、ここにサトゥーの旅が始まる!
2013年3月ごろより連載開始。2018年1月からアニメは放送されました。原作書籍は、なろうしいてはラノベジャンルでもトップクラスの売り上げを誇ります。
ポストSAOか?として前評判の高さのままにかなり作り込まれているアニメ。主人公サトゥーは異世界観光を楽しみつつ、迷宮を攻略したり、プログラマーであったことを生かして新しい魔法や武器防具や道具の開発に精を出したりして、着実に名声を高めていきます。