ロクアカ

ロクアカ/帝国の狙撃手《星》のアルベルト=フレイザーは冷徹にグレンの敵を撃ち、リィエルの援護をしてきた

初登場したアルベルトは、5話にてリィエルとの凹凸漫才というなかなか鮮烈な登場を果たしました。

個人的に爆笑させてもらったところで、次ぐ8話での炎のエフェクトをふんだんに使ったエレノアとの前哨戦など、9話の本格的なバトルが待ち遠しくもあるアルベルト=フレイザーですが、その任務優先のクールな性格に違わず、キャラのブレなさでも随一の“大人な”魔術師です。

グレンが不在の間、リィエルのお守りで苦労した

アルベルトは帝国宮廷魔導士団に所属する凄腕魔術師。特務分室に所属していて、執行官ナンバーは17の《星》。

青い髪ということでリィエルとの関連性も疑えるところではありますが、濃淡の差、どちらもクール系キャラ以上の共通点はなく、二人の間に同僚・戦友以上の関係はありません。

といっても、魔導士団からグレンが去ったあと、リィエルの「お守り」を引き継ぐことになったのはアルベルトその人であり、グレンと再会するまでにはリィエルの規格外ではあるけどつっこむばかりのその戦法と思考を一番に理解する良き理解者、サポート役にまでなりました。


▲ リィエルがいかに頑丈だからといって、しっかりこのアルベルト出の【ライトニング・ピアス】は人体が吹き飛ぶ程度の威力に留められている

その二人の息の合い加減(?)は、初登場時にしっかりお披露目されたところ。(笑)

アルベルト=フレイザーという男

「(この女は今まで始末してきた外道魔術師とは格が違う。こいつを捕まえることができれば帝国は組織に対して有利に立ち回れる…)」

そんなアルベルトですが、グレンとは違いしっかり特務分室の現役魔術師であるため、彼の本分、魔術師としての力量はもちろん鈍っていません。どこまでも見透かすかのような厳しく、静謐な、鷹のような眼差しは、どんなに距離が離れていようと対象の腕、脚、心臓、そして頭蓋を打ち抜きます。

【ライントニング・ピアス】はズドン先生もといジンも得意だった軍用魔術ですが、アルベルトは一節詠唱ができることはもちろん、時間差で放ったり、二連続で“射撃”が行えるのに加えて、長距離射撃用に特化した固有魔術、黒魔改【ホークアイ・ピアス】に昇華させてもいます。

「所詮相手は狙撃屋。ごく近距離の魔術戦に持ち込めば容易に下せるとでも思ったか?」

アルベルトは「帝国随一の狙撃手」の異名のままに、ジンをゆうに越える【ライトニング・ピアス】使いの魔術師です。といっても、長距離射撃だけに留まらず、近接格闘やナイフの投擲までもこなしてしまうのだから、およそ隙というものが見つかず、セリカを除けば作中でも最強に近い凄腕魔術師でもあります。

また、意外なところで、アルベルトは司祭の資格を所持してもいます。

殺しの裏仕事に就いていながら不適格だと自覚はありながら、無残な死を遂げる者には弔いと慈悲の言葉をつぶやき、そしてもう元には戻らない人体実験の被験者が殺してくれと言った際には、グレンが喚いている横で、厳かに、速やかに【ライトニング・ピアス】を打つのがアルベルト=フレイザーという男です。(リィエルの世話を冗談抜きで苦としていなかったのは、好々爺なバーナードの冗談を真に受ける仕事に真面目すぎる性分もあるでしょうけど、この捨てたというわずかな奉仕精神も少なからず影響しているのでしょうね。)


▲ あと、変装・演技が俳優並みに上手く、「俳優業でもやれよ…」とはグレンの言。ちょっと本人も楽しんでいる節?/del>

グレンには眩しさも感じている

「……存外、立派に教師をやっているようだな」
「どーゆー意味だ、そりゃ」
「お前に教わる若者達の将来が不安で仕方なかった、という事だ」
「……酷ぇ言いぐさだな、オイ。……あんまり否定できねーけど」

そんなアルベルト、グレンを常々甘いと突き放しますが、もちろん決して見捨てたりはしません。アニメ的にもそうですけど(笑)、戦友として、そして親友として。

「急げフィーベル!恐れてる暇はない!」

グレンを咎めるのは表面的には「戦術的に当たり前」であり、任務の成功ないしは勝つための冷徹で妥当な算段にすぎないのですが、リィエルに討たれたグレンを助けるためにシスティを“怒鳴ったり”、グレンにリィエルを助ける余地を与えたり、それから、リィエルがクラスメイトたちと和やかにビーチバレーをしているのを見て(真面目な意味で)目を細めたり。それはまた、アルベルト自身が「魔術師の理想」を早々と捨てて現実を見据えたため、未だに理想を捨てきれずにいる同僚に対する眩しさと、期待の裏返しでもあります。

「お前では既に魔導士ではない。教師だ」とグレンを事件に深入りしないよう諌めるなど、アルベルトのスタンスはアニメのクールキャラにしては驚くほどブレず、主人公グレンが魔術の教鞭を取れるほどは「大人」であること、総じてセリカと同じくロクアカの大人なアニメの部分をしっかり担っているキャラクターの一人でもあり、そんなグレンとアルベルトの会話はロクアカ原作の見所の一つです。


「あいつの仕業か…そんなに俺が嫌いか畜生!」
▲ もちろんアニメ版でもここまで表情は崩すこともなく、頬を染めることもない…と思います。(笑)