【12/10更新】2019年になり、元号も変わろうとする今、SAOやオバロなど劇場版も増えましたし、なろう作品のアニメ化は世間にもかなり定着してきましたね。
ひと昔前は、ゲーム(VRMMORPG)からの現実に戻れない状態や、赤ん坊からの一からの転生が主流でしたが、今ではジャンルもだいぶ増えましたね~。
なろう系は内容的に衝撃的な作品もありますが、個人的にはやはり「蜘蛛ですが、何か?」の衝撃を超えるものはまだ出ていません。(衝撃という意味ではオバロは次点)中身は普通に読みやすい作品なんですけどね。(あと、なろうではないですが、『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』の衝撃も個人的にはなかなか超えられない。稀~にいるんですよね、オンゲやっていると超強いお母さん……w)
今のところ、アニメ化が決まっているものは以下のラインナップのようです。
・盾の勇者の成り上がり(1月から・2期&3期決定)
・賢者の孫(4月から)
・ありふれた職業で世界最強(7月から・2期決定)
・異世界チート魔術師(マジシャン)(7月から)
・魔王様、リトライ!(7月から)
・うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。(7月から)
・慎重勇者(10月から)
・本好きの下克上(10月から)
・私、能力は平均値でって言ったよね!(10月から)
・痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。(2020年1月から)
・インフィニット・デンドログラム(2020年1月から)
【↓ 製作中および企画中 ↓】
・八男ってそれはないでしょう(2020年4月予定)
・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(2020年4月予定)
・蜘蛛ですが、なにか?(製作中)
・スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました(製作中)
・回復術士のやり直し(製作中)
・魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~(製作中)
・無職転生(未定)
(2019、12/10 現在。判明しているもののみ)
一部では、なろう作品のタイトルは、頭を抱えたくなるタイトル群と思われているようです。(笑)まあ、そのくらい異世界ファンタジー作品が多いってことでもありますし、なろうは受賞作品と違い、文章力や構成力などの技術が物を言う世界でもないので(悪く言えばそこのところはレベルが低い)、「せめてタイトルは目立たせる」というのが主流になったのではと思われます。
例によってアニメ公式やなろう作品ページへのリンクなど軽くまとめます。とりもげ自身も参考にしますが、気になる作品があったら参考にしてみてください。(ちまちま更新)
▲ 2020年版です。
目次
盾の勇者の成り上がり(1月から・2期&3期決定)
図書館で四勇者について書かれた本を手にとった大学生の岩谷尚文は、盾の勇者として異世界にある国家・メルロマルクに召喚された。そこには、剣の勇者、弓の勇者、槍の勇者の3人も召喚されていた。次元の亀裂から魔物が大量に湧き出すという波から世界を守ることを国王から命ぜられ、それぞれの武器を鍛えるために供を連れて旅をすることになる。
だが、盾は攻撃ができず人気が全くなかったため、盾の勇者である尚文の供になったのは、女従者マインのみであった。しかし、マインは尚文を裏切って全財産を盗み取っただけでなく、尚文は婦女暴行の冤罪をかけられる。勇者としての名声や金銭や信頼を失い、異世界の人々に絶望して1人で旅に出ることを決めた尚文は、パーティーの攻撃役として奴隷商人から亜人の少女ラフタリアを買い、2人での旅を始める。
主人公の尚文は勇者として召喚されますが、「盾の勇者」らしく、攻撃が一切できない・関節技もダメと、結構な制限がかかっています。さらには女性から騙され、女性不信にも陥りました。この状況を尚文がどう打破し、成長していくのか、攻撃役に抜擢した奴隷のラフタリアなどの女性たちの、相手が女性不信ゆえの心温まるハートフルな展開にも癒されます。
アニメは丁寧に作られていることもあり、人気を博しています。 「灰と幻想のグリムガル」や「Re:ゼロから始める異世界生活」「ゴブリンスレイヤー」などが好きだった人は好まれていそうです。放送予定の「ありふれた職業で異世界最強」も相性がよさそうです。(関係ないけど、ドメインのshield heroかっこいい)※2期・3期製作決定しました
賢者の孫(4月から)
この世界では名を知らぬものはいない偉大な『賢者』マーリンに拾われたシン。彼は前世の記憶を持つ異世界転生者であった。
マーリンに育てられ規格外の魔法使いとなったシンだったが、人里離れて育てられたため一般常識を知らない世間知らずになってしまった。家に良く訪れるディスおじさんの勧めもありシンは王国アールスハイド高等魔法学院へ通うことになったのだが、型破りな彼は様々な事件に巻き込まれる
なろう作品にしてはタイトルが短いですが、その短さのままに、シンプルに転生した主人公が前世の記憶を駆使して俺TUEEEしていく内容です。
展開的には転生ものの王道ものと言えますが、賢者の二人をはじめ、国王や王子、元騎士団総長(剣聖)、宮廷騎士団長、商会長などの歴々が既に主人公と既知の仲にあり、やり取りが非常に微笑ましく、流れがスムーズです。学園ものでもあり、クラスメイトたちを鍛えて最強の魔術師軍団にしていきます。
また、女性関係では、主人公であるシンは、シシリーへの一目ぼれから始まり、交際、婚約まで結構な早さで至ります。もちろん、嫁の存在は敵勢から付け入られることにもなるのですが、そこをどう潜り抜けていくのかが楽しみどころの一つです。アニメ化の際には「転生したらスライムだった件」のように、誰でも気軽に楽しめるスタンダードな転生ものの一つになりそうです。
ありふれた職業で世界最強(7月から・2期決定)
「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」
“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。クラスメイトが次々に戦闘向きのチート能力を発現するなかで、地味な錬成師となってしまったハジメ。
異世界でも最弱の彼は、クラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまう。
魔物が蠢く絶望のなか、ハジメは最強へ至る活路を開き、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。
ありふれた職業で世界最強と、なかなかタイトルからは内容が推察しにくいところ。異世界転生ものは今日さまざまなストーリーがあり、ある程度のテンプレートも把握されつつあるところですが、
「クラスメイトたちと異世界へ」「序盤に仲間にハメられる(裏切られる)」「魔物転生のように、魔物の能力を手に入れる」などの、異世界転生の主要な要素を、3つも兼ね備えるこの作品はじゅうぶん個性的といえる作品でしょう。
可愛らしい主要キャラクター群を見ると、なろう系というより従来の“萌えるアニメ”に連なりそうな部分も見えますが、絶望の淵からもがくために魔物の肉を食らいつづけ、憎悪のために性格が冷徹かつ殺伐としたものになってしまった主人公の生への執着心、もとい作品の持つ力強さもあり、なろう系に少し飽きてしまった人、逆になろう系に興味があるけどなろう系の雰囲気に抵抗感を持っている人のための“入り”など、とくに楽しめるのかもしれません。※2期製作決定しました
私、能力は平均値でって言ったよね!(10月から)
私、アスカム子爵家長女、アデル・フォン・アスカムは、10歳になったある日、強烈な頭痛と共に全てを思い出した。
自分が以前、栗原海里(くりはらみさと)という名の18歳の日本人であったこと、幼い少女を助けようとして命を落としたこと、そして、神様に出会ったことを……出来が良過ぎたために周りの期待が大きく、思うように生きることができなかった海里は、望みを尋ねる神様にこうお願いしたのであった。
『次の人生、能力は平均値でお願いします!』なのに、何だか話が違うよ!
3つの名前を持つ少女、剣と魔法の世界で、うっかりS級ハンターなんかにならないように気を付けて普通に生きて行きます!
だって、私はごく普通の、平凡な女の子なんだから!
異世界転生で、女の子が主人公の“私TUEEEE”物語ですね。なろうものの人気作品でもやはり少年主人公が多いですから、これだけでもじゅうぶん特色と言えます。さらには10歳という年齢もなかなか規格外です。それだけに主人公ないし作品の内包している「はじけるような瑞々しさ」は随一です。
タイトルから察せられる通り、目立つことを嫌い、できるだけ力を隠すタイプの少女(中身は18歳+空白の10年)なのですが、それでもやはり魔物の討伐をしていく辺り、なろう作品の宿命が垣間見えるところ。
また、魔法を行使するのに「ナノマシン」を介するという一風変わった世界設定もあります。
異世界チート魔術師(マジシャン)(7月から)
どこにでもいる普通の高校生・西村太一と、運動神経抜群でモデル体型の美少女・吾妻凛。
平和な高校生活を送っていた二人はある日突然、
不思議な魔法陣の光に包まれ、見知らぬ土地へ迷い込んでしまう。
そこは恐ろしい魔物が生息し、獣人やドワーフ、エルフといった
多様な種族が存在する、まるでファンタジーのような世界。
異世界へと導かれた太一と凛は、ここで生き抜くために「冒険者」になることを決意するが、
その適性検査で、二人が“チート”な魔力を持っていることが判明して……。
ちょっと没個性なタイトルではありますが、魔術師ものないし魔法使いものではあるのは当然として、異世界に行くのが主人公とヒロインの二人という配役が少し個性的な作品です。もちろんヒロインは既に主人公に惹かれていて、少し懐かしい感じのする物語でもありますね。
異世界転生ものは、魔物に転生する物語があり、ダンジョンRPGやMMORPGなどのゲーム知識が豊富だったり、史実的な中世の人々の生活観に関する造詣が深かったりして、まだまだ一般的と言いづらい内容もちらほらありますが、そういう意味では異世界チート魔術師は日本寄りの異世界ファンタジー知識を生かした作品で、見やすい内容になっています。
蜘蛛ですが、なにか?(製作中)
女子高生だったはずの「私」は目覚めると……なんと「蜘蛛」に転生していた!
周囲は毒ガエルや猿の化け物、果ては龍まで……って、コレもう詰んでない!?
種族底辺・メンタル最強女子の、迷宮サバイバル開幕!
なろう作品ないし、異世界転生ものには衝撃的な作品も数多くありますが、「蜘蛛ですが、なにか?」はその最たる作品と言えるでしょうね。
なぜって、主人公が蜘蛛になってしまうのですから。さらにはその蜘蛛になる主人公が女子高生だというのだから、なかなか、というかかなり、……いや、日本屈指と言っていいほどエッジの効いた物語です。(蜘蛛にばかり目がいきますが、クラスが丸々異世界転移してしまうタイプの転生ものです。)
蜘蛛というと代表的な嫌悪される虫です。そのためにこの作品の映像化の難しさは想像に難くないものですが、PVを見てみるとその辺もしっかり考えられていることが分かります。蜘蛛子のキュートさは、どことなく海外アニメーションの動物たちの可愛らしさがありますね。(笑)
そのアニメのDVD/BDや放送に伴って伸びる原作本の売り上げなどの人気度を争うことを覇権争いと言いますが、「蜘蛛ですが、なにか?」はまだアニメ公式サイトが出来ていないにもかかわらず、覇権争いの一翼を担うであろうと目されています。アニメ自体の作りもそうですし、PVの再生数もその注目度の高さを物語っています。
ヤングエースでは、マンガ版が35話分の内容を一挙に読むことができますよ。(⇒ヤングエース)
【⇒アニメ公式サイト】
【⇒なろう作品ページ】
魔王様、リトライ!(7月から)
どこにでもいる社会人、大野晶は自身が運営するゲーム内の「魔王」と呼ばれるキャラにログインしたまま異世界へと飛ばされてしまう。そこで出会った片足が不自由な女の子と旅をし始めるが、圧倒的な力を持つ「魔王」を周囲が放っておくわけがなかった。
魔王を討伐しようとする国やら聖女から狙われ、一行は行く先々で騒動を巻き起こす。
見た目は魔王、中身は一般人の勘違い系ファンタジー!
初見はタイトルの感じから「はたらく魔王さま」を思い出しましたが、主人公はダンディな40代男性であり、酷薄な性格をしている人物。
「魔王様、リトライ!」は、現実世界からファンタジーの世界に行くいわゆる転生ものであり、自分が運営していたゲーム内の最強の存在に転生してしまったという作品です。もちろん中身は一般人で、ゲーム内キャラとして存在していた九内伯斗の人格で話が進むわけではありません。
設定だけを聞くとありふれている内容で、40代の渋いおじさんにしたことでずらしてきた、という印象も強いですが、最近はアラサー、アラフォーが主人公の作品は多いですし、アニメ化に際しては設定を軽くし、見やすくなっていることは最大の武器です。原作の方も、設定含めて肩肘張らずに読むことができるので、先ほど例に出したギャグ要素が強かったはたらく魔王さまのファン層も案外がっちりはまるかもしれません。絵的にもね。
なにより、“つだけんボイス”が主人公なのが最大の売りではないでしょうか? 津田健次郎さんが主人公役であり、つだけんボイスを毎回しっかり聞ける作品というのは非常に珍しいのではと思います。女の子が多いですが、個性的な外見と性格のキャラが多いのも魅力ですね。
慎重勇者(10月から・カクヨム)
新米女神リスタルテが担当することになった世界は難度Sのゲアブランデだった。ゲアブランデを救うべく勇者候補リストを見ていたリスタルテは超ハイスペックな勇者を発見する。喜ぶリスタルテ。だが、その勇者はありえないくらいに慎重派だった。
「鎧を三つ貰おう。着る用。スペア。そしてスペアが無くなった時のスペアだ」
簡潔明瞭なタイトルの通り、主人公が勇者なのに慎重すぎる作品です。「勇者なのに慎重すぎる」とあるように、勇者なのに慎重すぎる部分にスポットを当てているので、コメディ要素も含む最強系ないし勇者系の物語ですね。(本作品はカクヨム掲載作品ですが、作者の方がなろうとの二足の草鞋の方なのでこちらに掲載)
一発ネタかと思いきや、どれどれと考えてみるとなかなか想像が広がるタイトルではありませんか?
たぶん多くの人が想像した通りの内容――スライムに全力を出す、同じ装備をいくつも買う、倒した魔族系の敵は文字通り灰塵に帰すまで安心できない……などといった慎重要素がこの作品ないし主人公の竜宮院聖哉の中には詰まっているのですが、召喚陣の前で筋トレしてレベルを上げる、序盤に四天王が出て戦略的退散をする、四天王を倒した後もまた戻って筋トレをしようとするなど、おそらく“だいぶ想像を破ってくる”上、彼は至って本気、加えてイケメン+若干渋い青年声なのがシュールで、PVだけでも面白いです。
あと、ヒロインの女神リスタが、某駄女神ほどではないにせよ、叫び&顔芸担当で面白いキャラに仕上がっているのも特徴ですw(個人的には書籍原作やアニメよりもマンガのリスタが好み)
ちなみにWEB掲載時のタイトルは「この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる」です。副題にしているようですが、タイトル変更は正解でしょうね。
【⇒アニメ公式サイト】
【⇒カクヨム作品ページ】
【⇒コミックウォーカー試し読み(マンガ)】
本好きの下克上(10月から)
本が好きで、司書資格を取り、大学図書館への就職が決まっていたのに、大学卒業直後に死んでしまった麗乃。転生したのは、識字率が低くて本が少ない世界の兵士の娘。いくら読みたくても周りに本なんてあるはずない。
本がないならどうする? 作ってしまえばいいじゃない。目指すは図書館司書!
随分前からアニメ化を待望されていた人気作です。古い作品(2013年連載開始)で、なろうの累計ランキングも常連で、なろう作品を少しでも読んだことがある人はこの名前を知っている人も多いでしょう。
仮になろう作品を読んでいなくとも、「このライトノベルがすごい!」の1位を2回も受賞しているので一般認知も高いという、ラノベ・ファンタジー作品部門でもまだまだ若干認知範囲の狭い嫌いのもあるなろう系にしては多方面に知られている作品です。一般読者に薦めやすいんでしょうね。ちなみにどちらかというと女性向き作品のように思います。
本好きの下克上は、本好きとあるように、転生ものだとか最初から最強であるとか、一般的ななろう作品とは趣の違う作品です。そもそも主人公――マインは戦闘職にありませんし、ただの“本好きの学生”であり、本を読みたいというその一心のままに行動していきます。
ただ、舞台は本のない世界でした。想像できるでしょうか? 本のない世界って。で、そんな世界でマインは本を読むために何をするのかというと、“紙”から作ります。
木を薄くしたり、乾かしたり、そういう世界です。(笑)本がない=紙が庶民に浸透していなかったわけです。また識字率も低く、そもそも街中に文字もほとんどありません。これでは本を読むという以前の話。なのでマインは粘土板や木の板に文字を書いたり、インクをもらうために知り合いの事務仕事を手伝ったり……文明起こしは転生ものにもちょくちょくありましたけど、ここまで腰を据えた物語もそうありませんよね。そんなマインですが、その人生はやがて波乱万丈のものに。非常に勉強になり、そして本好きと豪語するだけあり、小説としても非常に読みやすい作品でもあります。
派手なバトルとかは少なく、従来の深夜アニメファンの期待に応えるには難しい部分もあるとは思いますが、突飛な展開はなく着々と地に足付いたスピードで物語は進みます。原作ファンの人はもちろん、世界名作劇場とかが好きな人には楽しめるかと思います。(あと、デスマや町おこし系・技術革新系が好きな人も)Kindle Umlimitedに加入していると、1~3巻が無料で読めるのでおすすめです。