ロクアカ

ロクアカ/実は技巧派だったバークスとアルベルトのバトルシーン ナイフでやられる自称最強生物の慟哭

9話よかったですね~~! 1話2話でのろくでなしはどこへやら、グレンは本当に良い教師です。(`・ω・´)

それにしても、9話は事件の佳境ではあったけど清々しいまでにテンポの良い回でした。

「そんな王家に統治される国など早々に滅ぼすべきだとは…」
「バークス様。そのへんで」

元々、テンポの良さは1話からのロクアカの一つの売りで、その大部分はてっきりコメディ部分で主に発揮してくるのかと踏みもしていたところ。9話での見せるべき部分のチョイス、カットするべき箇所、台詞の要約具合などの落とし込みの秀逸さがもはやお家芸レベルでしたね。(個人的には特にグレンの締め方が好き。)

「兄さん…名前は…名前は、何だっけ…」
▲ 「何だっけ」の部分で素になった、小澤さんの好演っぷり。作画も良かった

今回は、小気味よくもあった9話の事件の終幕に少し隠れてしまったバークスその人についてです。

「ワハハ!悪いオーキドとはわしのことだ」

「故に新鮮なマナに満たされたこのような空間が常に必要とされるのです」

帝国白金魔導研究所の所長バークス=ブラウモンは、穏やかな物腰とは裏腹に、承認欲求と上昇志向が強い人間でした。

「ここでは複数の動植物を掛け合わせキメラを生み出す研究をしています」
▲ しっかり描かれていた研究所の風景。生徒たちも、ロクアカしいては魔術師の世界の住人らしく、きなくささや気持ち悪さよりも賞賛の眼差しを向ける

「この魔導大国たるアルザーノ帝国において白金術の権威と謳われたこのバークス=ブラウモンが、その『Project:Rivive Life』がいかなるものか知らぬとでも思うたか!?」
「いえいえ、そのようなことは欠片も」

ハーレイにもそういう部分は多くあるように、バークスは心では自分こそが天才だと信じて疑いませんし、そのために日々の研究は怠るべきでないと考えています。

ただしハーレイとは違い、バークスは道を踏み外します。ある日を境に、天の智慧研究会の「超」と「外道」がつく実力主義の魔導士主体の思想に傾倒、これまで自分が積み上げてきた白金魔導士としての実力と実験結果を手土産に、天の智慧研究会入りを目指すようになります。自分を化け物にした前か後かは定かではありませんが、実は血の気の多いオーキドだったわけですね。

生体研究者の成れの果て

「ハハハ!いいぞ!いいぞ!成る!成るぞ!プロジェクトリバイブライフは今日ここに成る!この手によって!」

そうして、バークスはシオンに扮するライネルのおかげもあり、ルミアを入手、「Project: Revive Life」通称「Re-L計画」を成功の一歩手前まで進めます。エレノア、しいては上層部の意向はバークスは実験材料、言わば生贄でしかないとは露知らず。

ただ、帝国の白金魔導士としては権威ではありこそすれ、戦闘方面ではそれほどでもないはずのバークスは自らグレンたちの相手をしにいきます。もちろんそこには、自身に施した手術――様々な異能者の能力を取り込み、人外の身と成り果てた代わりに“最強の生物”となった自信も多分に影響しているところ。


▲ なにげに迫力ある

そんな最強の生物となったバークスと対峙したのはアルベルト。といっても、あっさりやられましたね。(笑)

「死ね。貴様には生花すら手向けん」

「紅蓮の業火に焼かれながら永遠に懺悔しろ」

「天に選ばれたこの私が…」

この要約されたバークスvsアルベルト戦ですが、原作だともう少し凝った内容になっています。

アルベルトは、バークスの「再生能力」を封じるため、つまり、バークスが様々な異能を自身に取り込む際に注入した薬の血中濃度を薄める目的で、無言でナイフ投擲をしまくって“血を抜いていた”という、その戦闘手段は、グレンとはまた種類の違うガチの技巧派で面白いです。