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ベヨネッタ・オリジンズ体験版のプレイ感想 雰囲気ゲーの極みかと思えば戦略性とパズル要素もしっかりあった

3月17日に発売を控えている「ベヨネッタ オリジンズ:セレッサと迷子の悪魔」ですが、3月8日に体験版の配信が開始されました。

元々とりもげはこの作品はちょっと気になっていたソフトで。

ベヨネッタシリーズは未プレイなんですが、スピンオフ作品とはいっても未プレイユーザーでも楽しめそうな雰囲気がありましたからね。(むしろ従来のベヨネッタファンは食指が動かなさそう)

というわけで、今回はベヨネッタ・オリジンズの体験版のプレイ感想です。

上質なイラストライクなアートの世界観

ベヨネッタ・オリジンズ(以下ベヨオリ)はまず絵本のようなイラストライクな絵柄とそれに付随するページ送りのアニメーションが特徴的です。主にストーリー部分でこの手法が用いられています。

任天堂作品や「オーディンスフィア」などをはじめとして、絵本そのものやページめくり、つまり本の構造的な部分を意識した作品は国内では実のところ少なくないのですが、ベヨオリは中でもとりわけ丁寧なつくりです。

透かし絵のようにじわじわとイラストがお披露目されていったり、展開によってはフォントまでも演出の一部として使ってくるのはもちろんのこと、BGMも妖しい森の雰囲気を意識するばかりでなくその時その時で雰囲気を損なうことのない上質な音楽が添えられています。

この手の作品が好きな人にはたまらない作風のように思いますが、絵柄のおかげもあるでしょうけど、荒さはほとんどなく、演出のすべてがきちんと計算されていて、驚くほど完成度が高いです。

▲ ストーリーテキストにも一定の信頼がある。

とりもげはゲームはあれこれ手をつけるタイプではなくやり込むタイプなのですが、いわゆる「雰囲気ゲー」としてもなかなかこのレベルの作品は見ないのではないかと思わされました。UI的にも不自由は全く感じません。ポケモンSVでバグまみれなのを見ているせいかなおさら。(笑)

戦略性の高い戦闘と操作難易度

次いで驚かされたのは、意外と高い操作難易度です。

いわゆる雰囲気ゲーというものはオーディンスフィア然り、「INSIDE」や「GOLOGOA」「The Stanley Parable」といったSteam出の洋ゲー然り、スマホゲームの「Monument Valley」然り。またノベルゲーム味も含まれることもあってアクション性や操作難易度は低くなりがちですが、ベヨネッタ・オリジンズの諸々はそこまで易しくはありません。

主人公であるセレッサは物語の序盤でぬいぐるみのチェシャに憑依した悪魔と行動を共にすることになるのですが、プレイヤーは左のスティックでセレッサを操作し、右のスティックでチェシャを操作することになります。

これには結構驚きました。人によってはこの手の一括操作はかなり難しい部類の操作だと思ったからです。

でもまあ、ゲームって不思議なもので、楽しんでいれば割と何でも慣れていきますからね。さすがに「ダークソウル」レベルの難易度の打開力は要求してこないでしょうし。

セレッサはあくまでもサポート

戦闘面においてセレッサは足止め役で、チェシェがアタッカーです。これもまた面白いところですが、本家ベヨネッタ本人のイケイケ路線とは真逆ですね。

セレッサは見習い魔女で、未熟さは悪魔召喚もままならないほどですから、おそらくこの役どころは長いこと変わらないのでしょうね。話が進むにつれて、セレッサのサポート能力に磨きがかかっていく様子。

▲ チェシャのチュートリアル戦闘

ちなみに操作性は非常に良いです。チェシャの動きは常にダイナミックで、グラフィカルなエフェクトが絶えずお出迎えして、爽快感もあります。移動面以外ではワンボタンのごくごく簡単な操作っぽいですけどね。あくまでもメインは1人2役の協力プレイのようです。

終始一貫しているイラストライクな絵柄と雰囲気――完成度の高い個性的なグラフィックから、「大神」を彷彿とさせた人も多そうです。

パズル要素もある

また、上で協力プレイがメインだと触れましたが、2人を同時に操作することもあって、パズル的な要素もしっかりあります。1人が扉のスイッチを踏み、1人が開けられた扉の先に行って、2人とも扉の先に行ける手筈を探すといった類のパズルですね。

具体的には

・チェシャをぬいぐるみに戻すハグモードがある
・ハグモードの状態ではチェシェを投げて移動させることができる
・ハグモード時にチェシェをぬいぐるみ状態で伸ばして大ジャンプができる
・チェシェはローズマリーの匂いが嫌いなので通れない道がある
・セレッサは障害物を破壊できないがチェシャは破壊できる

体験版内だとこのような要素。

体験版ではセレッサは出来ることは少ないですが、公式によると魔女らしく調合を駆使したり、チェシャは「エレメント・コア」なる物質により性質が属性的に変化するなど、これらの要素を用いることで打開できる様々なギミックが2人を待ち受けているようです。

▲ ちょっと歩いているだけでも雰囲気を楽しめる

割とつけいる隙のない完成度の高さ

ベヨネッタシリーズは、言わずと知れたスタイリッシュアクションが売りのゲームです。開発元のプラチナゲームズはベヨネッタシリーズや「ニーア・オートマタ」が有名ですね。

そんな元々アクションが得意の会社が急にこういったゴシックかつクラシカルなテイストのゲームをつくった詳細な理由は不明ですが、新しいファンの開拓はまず視野に入れてるでしょうし、今作のベヨネッタ・オリジンズでもその人気アクションゲームで培った技術がぎゅっと落とし込まれている印象はあります。

幻想的で美しい作風にしても、プラチナゲームズは「ワールドオブデーモンズ」という浮世絵や墨絵から着想を得たゲームもつくっていたそうなので、雰囲気作りに関しても手慣れているようです。……でも手慣れているにしては上質すぎません? ため息をつけるような世界観の完成度の高さがあります。作風をしっかり意識しているのでしょう、ベヨネッタシリーズの食傷気味になりやすいデザインの度合いは控えめです。

別に元から文句を言うつもりはありませんでしたが、絵柄にせよ、戦闘方面にせよ、パズル要素にせよ、操作性方面にせよ。体験版の範囲内ですが、雰囲気ゲーとして割とつけいる隙のない珍しい作品に仕上がっているように感じました。絵本系の雰囲気ゲーと侮るなかれ、ですね。

オーディンスフィア含めアクション系ってやってると飽きてくるのも多いものですが、極彩色的に場面も切り替わるようですし、それとは無縁でしょうね、このゲームは。2Dアクションでないのも◎。

とりもげのブログにはポケモンSV目的で来ている人は多いと思いますけど、気になる人は是非お試しあれ~( ˘ω˘ )(ちなみに動画ではボイスを英語にしていますが、もちろん日本語もあります)