▲ 11話システィ目線の「お婿さんのグレン」w
その言動から、生徒たちや寛容な人からはため息をつかれ、講師たちからはろくでなしだの下衆だの、魔術師の風上にも置けないだの。
味方はなかなか増えないけど、一目置かれる講義の内容や、セリカの存在や元宮廷魔導士時代を端とする人脈の太さ、叙勲歴から言うほど敵は作らない。
そうしてロクでなし魔術講師と禁忌教典の主人公グレン=レーダスはなかなか奇妙な主人公なわけですけど、その奇妙さは、かつての仇敵からも“一世一代の挑戦”を受けてしまうほどです。
元執行官ナンバー11《正義》
その仇敵とは、既に判明していますが、ハットをかぶった人物ジャティス=ロウファンのこと。少しツェストとも似ていますね。
なぜグレンの仇敵なのか? それはセラを死にやった人物だから。
グレンがしっかりコートを羽織って彼と対峙しているのはもちろんですが、その容姿――目つきの悪さ、目の下のクマ、そうしたものから彼が「狂気の人物」であることは一目で理解できるところ。(ロクアカはそういうところは素直ですからね。)
ジャティスの正義vsグレンの正義
実際、掲げている“ジャティスのジャスティス(正義)”は歪んでいます。
かつて自分を倒したグレンと戦うというそれだけのために、レオスを学院にけしかけ、グレンと1vs1の決闘をさせ、そしてグレンの仲間の介入の可能性も排除する。
「随分とグレン先生を買ってらっしゃるんですね」
この仲間の排除が、システィたちの父母にしたように、仕事を忙しくするという穏便な手はずだけであったのならまだいいのですが、厄介なアルベルトたちに邪魔されないそれだけのために『天使の塵』というゾンビ化ドラックをフェジテの街に撒き散らし、人々を再生不可能なゾンビにさせる(もちろんレオスも。)というタガの外れた非道の魔術師でもあります。
「黙れ小娘…二度と見られない顔にしてやろうか…!」
▲ クマの取れているこのレオスは、既にジャティスに入れ替わっている。レオスはもちろん死亡
禁忌教典について
「魔術師の戦場に英雄はいない。よく覚えておくんだな」
この狂気の執着を皮肉たっぷりに「よっぽど好かれたもの」だとは敵相手であれ軽口を叩けるグレンの言です。(だからこそ、敵からも人気気味なのかも。)
卓越した錬金術師でありこそすれ、宮廷魔導士団時代も問題児だったジャティスが、宮廷魔導士団を裏切り、こうしていよいよ取り返しがつかなくなってしまったのも「禁忌教典」を見たことが原因。
禁忌教典については原作でもいまだに謎です。一ついえるのは、実際に存在し、世界を知る(帝国を“魔国”扱いする)知恵であること、天の智慧研究会上層部が夢中になるほどはきな臭く、そしてルミアが最重要人物であること。
「組織内部にエルミアーナ王女に転生を目論んでる者がいます。それについては?」
確かエレノア記事で、アニメ版で原作でまだ明らかになっていない何らかの新しい情報が出るかもとは触れたところですが、10話冒頭で新たに「ルミアに転生をもくろむ」という内容が出てきました。…うん、余計にきなくさくなりましたね。(笑)
ジャティスが忌み嫌うのはグレンたち同様天の智慧研究会であり、王家でもありますが、なにより彼はロクアカの「世の中」に絶望しています。繋ぎ止めているのは(アルベルトのような明らかな強者ではなく)“弱者であるにも関わらず自分をも倒すことのできるグレン”だけであり、グレンを倒せない限りは今後どういう立ち位置になるのか、もしかしたらグレンと共闘する可能性ももたらせてくれる仇敵です。
「あいつはそういう男だよ。魔術師としては君の足元にも及ばない。だが100戦中99回負ける戦いでも1回の勝利を必ず最初に引き当ててみせる」